アッファシナンテ

私はお嬢様にハンカチを差し出す。

春川「お嬢様が何に傷付いて
いらっしゃるのかは分かり兼ねますが
それは仕方のない事だと思います。」

花恋「仕方のない事?」

春川「この世に生きる全ての人は
自分以外の他人です。
善人もいれば悪人もいる事でしょう。
全ての人の理解を得る事は
きっと難しい事なのだと思いますよ。」

花恋「それでも本当に
分かり合う事は出来ないのかしら?
だって、この世に生きる全ての人には
同等の幸せになる権利があるはずよ。
自分以外の誰かに傷付けられる事なんて
あってはならないもの。」

私は未だかつてお嬢様のような
心の綺麗な人に出会った事がない。
< 47 / 540 >

この作品をシェア

pagetop