アッファシナンテ

花恋「春川の事は大切なんて
言葉じゃ足りないのよ。
お父様よりも崎本さんよりも
自分よりも春川が一番なの。
変よね。私は崎本さんを
助けたいって気持ちだけで
春川の反対を押し切って
崎本さんにお金を渡したのに。
崎本さんの事を好きになって
一緒に暮らして、そのせいで
沢山、春川に迷惑をかけたのに。
それでも、春川を好きだなんて変よね。」

時計の針とにらめっこしていた。

車を停めた私は運転席を降り
後部座席に座る花恋の事を
抱き締めた。

春川「19時になった。
ようやく花恋を抱き締められる。」

花恋「お父様がいない時は
守らなくてもいいじゃない。」

春川「花恋は悪い人だな。」

花恋「悪い人?」

春川「俺がそう出来ない事を知ってて
あえて、19時よりも前に大切な話をする。
こっちの身にもなって欲しいよ。」

花恋「私はそんなつもりはないわ。
伝えたい時がたまたま
その時だっただけよ。」
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