アッファシナンテ

崎本さんはあの頃のように笑っていた。

遼「簡単だ。」

花恋「え?」

遼「距離感を埋める術?
そんなもの必要ねぇよ。」

花恋「必要ないって?」

遼「寂しい。そう言えばいい。
あんたが寂しいって言えば
もっとずっと一緒にいたいって言えば
元執事はあんたの事を許す。
記念日を忘れられて悲しいなら
ありのまま伝えればいい。
あいつ、あんたには甘いからな。」

花恋「うんざりしてしまうわよ。
いくら、光が優しくったって
ワガママばかり言う私に
きっとうんざりしてしまうわ。
私と結婚なんてしなければ良かったと
後悔するに決まってるじゃない。」

崎本さんはため息を着くと
私の隣に腰掛けた。
< 537 / 540 >

この作品をシェア

pagetop