諦めるには値しない

父「君は少し黙ってなさい!
これは、私たち家族の問題だ。」

昴「家族?笑わせんなよ。
てめぇは一度だってこいつの事を
信じた事があるのかよ?」

父「口を慎みなさい!」

昴「こいつが何であんな事件を
起こしたか知ってるか?」

父「私の顔に泥を塗るためだろ。」

昴「ちげぇよ。てめぇの事を
守りたかったからだよ!」

父「え?」

昴「てめぇのせいでこいつは
チームメイトに脅されてたんだ。
親父の顔に泥を塗りたくなかったら
言いなりになれってな!
チームメイトとの間に信頼を
築けなかったこいつにも落ち度はある。
でも、こいつは大好きなバスケを
捨てる覚悟でてめぇの事を守ったんだよ。」

父「昌紀、本当なのか?
どうして私に言わなかった?」

珀斗「あんたが鼻から不動の言葉に
耳を傾けなかったからだよ。」

真山「権力というのは
使い方を間違うと時に子供の
感情まで奪ってしまう。
不動の事件を聞いたあんたは
不動の言葉を聞くより前に
もみ消す事を考えた。
必死の思いで守ったあんたが
そんな行動を取った時の不動の気持ちが
あんたには分かるか?」
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