諦めるには値しない

俺の家とは反対方向に歩いてく
昴の背中を見ていると
もうこのまま会えなくなる気がした。

一人ぼっちになった俺が
踵を返し家へ向かって歩き始めると
目の前から真山が歩いてくる。

この街で真山を見かけるのは
随分、珍しい事だ。
真山は基本、昴と同じ地元でしか
行動しない奴だから。

珀斗「珍しいな、真山。
お前がこの街にいるなんて。」

真山「野暮用だ。」

真山とはダチっつぅ訳ではない。
だからと言って知らない訳でもない。

真山と昴は昔からのダチで
その昴と俺はダチな訳で...
だから大まかに言えば
俺と真山もダチになるのだろう。

だけど、真山とはほとんど
口を聞いた事はなかった。
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