諦めるには値しない

~陶太side~


僕の言葉を信じてくれた皆は
真山くんが戻ってくる
居場所を守るため、何よりも
僕の‥いや、僕たちの夢を叶えるため
一生懸命だった。

初戦敗退が当たり前だった
数ヶ月前の僕たちが嘘のように
僕たちは勝ち進み、桃員高校は
準々決勝の舞台に立った。

3クォーター目までは互角の戦い。
でも、僕たちは負けていた。
点差は8点。ひっくり返せない
点差ではなかった。
だけど、ここにきてようやく
真山くんの存在の大きさに
気付かされる。

真山くんの代わりにセンターに
入った高杉も庄司くんも藤野も
もう相手に押し勝てるほどの
体力が残っていなかった。
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