花瓶─狂気の恋─

桃は真帆を嘲笑うと、包丁をしまってどこかへ行ってしまった。その後ろ姿を見ながら真帆はあることを確信した。
屋上の階段で会った時の感じ、あれは嫉妬と憎しみが入り混じっていたのだと。部室で感じた目線は麻紀と桃によるものだと。そして、桃は自分と同類なのだと分かった。

そうして真帆はようやく意識が途絶えて、深い闇の底へと落ちた。
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