花瓶─狂気の恋─

「千紗が死んだと分かって落ち込んでる僕を励ましたのも演技か....内心笑ってたんだろ?僕と千紗を...千紗とはそんな関係じゃなかった....異性の親友としての仲だったのに....真帆ちゃん...いや、"神崎"の馬鹿らしい勘違いで壊された。」


名前ではなく名字で言われたことに、真帆は目を見開く。
無意識に足がカタツムリといい勝負するくらいのスピードで動き、悠雅に向かって届くはずもない手を伸ばす。


「悠雅先輩....私は...」


「もう喋らないでくれ。それも演技なんだろ?....もう君の声は聞きたくないし、君自身も見たくない。僕からのお願いは二つ。
一つは自首してくれ。もう一つは二度と僕に近寄らないでくれ。君が僕の事をどれだけ想ってくれても、僕は一生振り返らないし心底軽蔑する。」


悠雅はキッパリ言い放つと、真帆は伸ばしていた手に力が入らず、ダラ〜んと下げて膝を地面に付けた。その場で座り込んで項垂れ、真帆には全身力が入っていなかった。

そんな真帆に晶子は優しい眼差しを向けながら、真帆の肩に手を置いた。


「真帆....これが真帆のしちゃったことの代償なの。奪った命は戻ってこない、真帆はそれだけのことをしちゃったの。だからさ、自首して。
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