【短完】七夕の夜、君へ目一杯の愛を叫ぶ
そして、きみは、






『緋鞠、もうこの世にいないんでしょ?』







死んでしまったから、俺にあんなに謝ってたんだね。



緋鞠のセリフが頭を駆け巡る。



「もう、一緒にいられないの。ごめんね…。」



君の苦しそうな顔は、こんな訳だったんだね。

気がつくのが遅くなってごめん。


母さんは、頷いて、俺を1人にする様に

部屋から出ていった。



空には、窓から見えるほどの大きな天の川が輝いていた。

皮肉なものだ。

織姫と彦星は1年に1度だけ、会えるというのに……。

その日は、俺達の絆を壊した日だなんて。


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