four seasons〜僕らの日々〜
しっかり眠ったはずなのに、体中が重くてだるかった。

「うん……」

お姉ちゃんは部屋をゆっくりと出て行った。

その後ろ姿を見ていて、美桜は泣きたくなってしまった。

「……ごめんなさい」

本当は知っている。自分が泣きながら目覚めるのも、お姉ちゃんが寂しげなのもーーー。

頭の中に記憶が再生される。



『これからは、筆談で話すね』

真っ白な紙にこう書いて見せた時、凛ちゃんは驚いていた。

当たり前だ。今まで、筆談ではない方法で話していたのに、急に筆談にすると言い出したのだから……。

しかし、凛ちゃんは『わかった』と紙に書いて笑った。その笑顔は優しくて、しかし寂しげだった。

それからは、ずっと筆談で話している。

まるで最初からそうだったかのように…。美桜が覚えたことが、何もかも幻だったかのようにーーー。

それでも、凛ちゃんは変わらず今まで通りだった。
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