four seasons〜僕らの日々〜
「待ってよ〜」

二人で外を並んで歩くのは久しぶりだ。

引っ越してくる前から美桜は閉じこもることが多く、お姉ちゃんが買い物などに誘ってくれても断ってきた。

「なんか不思議な感じ!あんたと歩くの久しぶりすぎるから」

お姉ちゃんが嬉しそうに笑う。そこにあるのは明るい笑顔だ。

「……うん」

ほっとすると同時にぎゅっと胸が痛くなる。自分の好きだったことを捨てて、凛ちゃんを傷つけた日を忘れてしまうのではないかと思ったからだ。

美桜がこもるようになったのは、凛ちゃんを傷つけた日からだ。

うつむく美桜の背中を、お姉ちゃんが叩く。

「痛っ!痛いよ!」

「そんなうつむかないの!せっかくかわいい服着て、美人姉妹で歩いてるんだから」

「び、美人姉妹って……」

美桜は真っ直ぐ前を向くお姉ちゃんの横顔を見つめた。

お姉ちゃんは明るくて、男女関係なく友達が多い。噂によると結構モテているらしい。

でも、自分は告白されたことはない。誰かが自分を好きだという噂さえも耳にしたことがない。鏡を見ても、そこにいるのはアイドルや女優のような華やかさなどまったくない普通の顔だ。

お姉ちゃんの明るい性格は、かなり憧れている。姉妹なのにずいぶん違う。

美桜がそんなことを考えている間に、お店が見えてきた。美桜やお姉ちゃんぐらいの人がたくさんいる。
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