four seasons〜僕らの日々〜
「戻ったほうがいいかな?」

笑いながらドアのほうに向かった美桜の腕を、翔が掴み自分のほうに引き寄せた。

「しょ、翔くん!?」

抵抗しようとするが、翔は美桜を抱きしめたまま離さない。

「無理するな。……泣け」

その言葉と温もりに、美桜の目から涙がこぼれた。気がつけば大泣きしていた。

一緒に走っている二人を見て、蓮に裏切られたように感じてしまった。美桜が蓮に対して想っていることは、一方的なものだ。それでも、蓮が紙に書かれたものを探している時に美桜に見せた顔は、同じ気持ちなのかもしれないと嬉しかった。

ぺしゃんこに潰れた心に翔が気づいてくれた。それが嬉しくて、でも蓮に申し訳ない気持ちもあってーーー。

外の騒がしさを聞きながら、美桜は翔に抱きしめられていた。その時、翔は顔を真っ赤にしていた。
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