four seasons〜僕らの日々〜
「補習が嫌だったらしっかり勉強して、赤点を取らないように!解散!」

「……どうしよう」

蓮は重い足取りで音楽室に向かう。

音楽室のドアを開けると、椿と美桜が楽しそうに話していた。

「あっ!蓮くん!」

美桜が振り向き、笑顔を向けると蓮の胸が高鳴った。

「蓮、遅いよ〜」

椿も笑顔を向けるが、美桜のような感情は感じない。蓮の胸は一瞬で痛くなった。

「えっ!追試で赤点だったら毎日補習!?」

蓮がさっきのことを話すと、椿が驚いた。

「そうなったら、もう蓮くんの歌が聴けないってこと?」

美桜も戸惑った表情で蓮を見つめる。

「それは絶対に嫌だよ!」

蓮は言った。
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