マスカレード ~素顔の仮面~
及川博人の抑えた声に、苛立ちを感じた。
あと一押しすれば・・・暑い。
生ぬるい風を感じても、やっぱり暑い。
それに、体がフラつく・・暑いから?
もう少し。もう少しだけ・・・がまん、して。私・・・・・。

「じ・・自殺した、旧姓棚秦(たなはた)、奈々子さんのことで・・」
「話すことなんて何もない。仕事のことならともかく、特にプライベートなことに関しては、何も話す気なんかねぇよ!誰にもな!」
「少なくとも、“私”には知る権利があるわ」

暑い。もう・・・・・・限、界。

私の目が、ひとりでに閉じられた。
そして・・・そして意識も、フッと消えて・・・。
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