マスカレード ~素顔の仮面~
「及川博人なんざいまだにニュースバリューがあるのか正直疑問だったが、君が持ってきた内容はアタリだった。おかげで今週の週刊誌の売上は、ウチが断トツで一番だよ」

満面のホクホク笑顔で私に言う中年の編集長に、私は控えめに笑顔を向けながら「そうですか」と無難に答えた。

「それで・・私は本採用していただけるのでしょうか」
「もちろんだとも!」
「及川博人専属記者でいいんですね?」
「ああ。当面は君に任せよう」
「ありがとうございます」

・・・これで。
奈々子を自殺に追いやった及川博人に復讐する機会(チャンス)を得た。

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