約束の日 ~龍神の守護する国~
響く大きな雷鳴と共に雨の匂いを含んだ風が流れてくる。

昨夜も雨が降り続いていた。

そのため、神殿から流れる滝の水量も増えている。


そして、誰かが声をあげる。

その言葉に反応して次々とざわめきが広がっていく。

誰もの視線が一点に集中していた。

視線の先を見上げた蓮雅は神殿に人影を見た。

長い髪が風に煽られるまま、目下の王城を見下ろすように立っていた。

今まで薄く、透けて見えていた姿とは違い、実体を伴っている。

皆にも見えているのがその証拠だ。

しかし、なぜ今まで気付かなかったのだろうか。

こんなに酷似していた姿だというのに。
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