カボチャの馬車は、途中下車不可!?

何もしなくたって時間は過ぎていく。


ようやく腰をあげ、ぐっと人けの少なくなったフロアに戻った私は、よしって自分に言い聞かせるようにつぶやいて、受話器を取り上げた。


まずは……新しいスタッフの確保からだ。

カメラマンやスタイリスト、ライターは、本決まりの後で構わない。
ただ、出来上がりのイメージを左右するスタッフだけは、企画書に名前を載せたい。


今回うちが考えたのは、料理コンテスト。

<メインハーブ>を使って、一般の人にオリジナル料理を考えてもらい、優秀作品をまとめて、記念のムック本を制作するというものだ。

だから重要なのは、コンテストの審査員、そしてデザイナーとイラストレーター。

私はまず、審査員をお願いしていた料理研究家の先生に電話をかけた。
CDを飛び越えて連絡を取るのは、実はルール違反だけど……斎藤さんからの協力が期待できない以上、やむを得ない。

彼女がそのまま引き受けてくれるのなら、それが一番だと思ったから。


なのに……


返ってきたのは、意外な言葉だった。
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