カボチャの馬車は、途中下車不可!?
脳みそが、完全にフリーズして。
機能停止。職場放棄してる。
放心したまま、宙を見つめる私の耳へ。
ヴィン……
小さな電子音が聞こえた。窓が開いたらしい。
「ライ」
誰かが、車の中からライアンに話しかけてる。
この声……
呆然としながらも、記憶の彼方で何かがカタリと反応したような気がして。
操られるように、ぎくしゃくと首を伸ばして確認すると。
運転席の窓から、男が顔を出してる。
黒縁眼鏡をかけていて、20代後半くらい。
特徴のない容貌ではあるけど、あの眼鏡顔は、確かにどこかで……
「待てよ、ライ」
——本数にも意味があるのを、ご存知ですか?
記憶が、雪崩を打って押し寄せた。