新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
唐突な私の言葉に、湊が胸元に埋めていた顔をゆっくりと持ち上げた。
おずおずと手を動かして、たった今、湊が口付けた桜のチャームに手を添えるとひんやりとした感覚が手のひらに滲む。
「このネックレス……。" A flower of love " って、Lunaのネックレスと良く似ているから……」
そう言って改めて湊を見上げると、私を見下ろす彼の目には戸惑いとも驚きとも取れる色が浮かんだ。
今の今まで色っぽく濡れていた彼の瞳は消えている。
どうして湊が、そんな表情(かお)をするの?
もしかして、せっかくの空気を余計な質問で壊してしまったからだろうか。
「ご、ごめんなさい。私、こんな時に──」
「なんで、それを知って……」
言葉と言葉が重なった。
ぽつりと零された声に、僅かな疑問が大きく膨らむ。
だって今の返答だと、湊はまるで、このネックレスがLunaのものだと確信しているみたいに聞こえた。
だけど、このネックレスはデザイン画に描かれたものとは、ほんの少し様子が違う。
もちろん湊が、過去から現在に至るまでのLunaのジュエリーすべてを把握しているのは無理があるから、彼の勘違いということもある。