新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「……桜は、どうするつもりだ?」
「私は……明日の朝イチで、根岸さんに連絡を入れるつもりです。事情を話して、明日もう一日だけでも、おばあちゃんのそばについていたいとお願いしようと……」
もちろん、それで明日、おばあちゃんが目を覚ますという保障はどこにもない。
明日も明後日も、一週間でも目を覚まさないという可能性だってあるけれど……。
それでも、
「少しでも長く、おばあちゃんのそばにいたいんです……」
言葉にしたら、目には涙の膜が張った。
もう散々泣いたくせに、涙は枯れてくれないらしい。
クリスマス企画は私が企画課に入って、初めて関りを持った大きな仕事だった。
更には、初めて私の意見が取り入れられた案件でもある。
明日の打ち合わせには根岸さんとサツマちゃん、そして私も同行させてもらえる予定だったのだ。
楽しみ……と言ったら不謹慎だけれど、どんな打ち合わせになるのだろうと心躍らせていた。
それなのに私は明日、会社を休もうとしている。
今は、仕事よりもおばあちゃんのそばにいたい。
社会人失格、無責任極まりないと罵られても、今、おばあちゃんのそばを離れたら後悔すると思ったから。