新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「……帰ろう」
そんな私の決意を汲み取ってくれたのか、湊は穏やかに微笑んで、私の腰に手を添えた。
時刻は夜の二十二時を過ぎたところで、病院を出れば夜空には僅かに星が輝いていた。
「……私、クリスマス企画、絶対に成功させたいです」
隣に温かな体温を感じながら言葉にすると、湊にそっと抱き寄せられた。
そうして何度も私の髪を撫でた湊は私の顎に手を添えると、優しく甘いキスをする。
「大丈夫。きっと成功する」
それは、社長としての彼の言葉にしたら安直ではあったけれど、このとき湊は私の夫として私の仕事を応援してくれたのだ。
「ありがとう。……湊。本当に、ありがとう」
重なる身体の温もりは、いつまでも消えない。
そのまま手を繋いで車に乗って家に帰った私達は、朝まで互いの存在を確かめ合うように抱き締めあって、眠った。