新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない


「あー、ハナちゃん、おかえりぃ。っていうか、なんか、顔赤くない?」


カブくんにされた指摘に、答える余裕もなかった。

しばらくして近衛さんから届いた社内用のメールには、『社長がとても機嫌が良いです』と一言だけ書かれていた。

たったそれだけで、元気になる私は現金だ。

──企画はまだ、始まったばかり。

気合を入れる意味で頬を叩いた私は顔を上げ、息を整える。

そうして胸元の桜のチャームに手を当てて、根岸さんとサツマちゃんの元へと足を急がせた。

< 204 / 273 >

この作品をシェア

pagetop