新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
 


「桜。これから、どうぞよろしく」


柔らかな声に、涙が零れた。

笑顔で頷くのが、精一杯だった。

結局その日食べたご飯の味は、わからない。

だけど彼から貰った言葉も気持ちも──。


「はい……っ。よろしくお願いします……っ」


私は生涯、忘れることはないだろう。


 
< 55 / 273 >

この作品をシェア

pagetop