惰性人間
自分が何がほしいのかわからない。

新しい服を買っても、お酒を飲んでも、男の子と付き合ってみても、髪型変えても、映画観ても…
空虚で嫌気がさす。

もしあたしが男の子だったら、暴走族でも入って「バイクぶっ飛ばしてると最高だぜ!」とか言ってたかもしれない。

もしあたしがちょっと不良だったら、クラブにでも入り浸って「踊ってるとなぁんにも忘れちゃうっ」とか言ってたかもしれない。

もしあたしがオタクだったら、フィギュア買いあさって「ガンダムみてると癒されるであります」とか言ってたかもしれない。

もしあたしが…

「もしも話」はきりがない。

あたしはフツーすぎて何にもできないのだ。

男の子や不良やオタクになるような勇気もなく、かと言って、「フツーが何よりも幸せ」という結論に帰着するにはあまりに若すぎた。

あたしは何かを求めてた。
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