悪しき令嬢の名を冠する者
「何か文句が? 言ってもいいのよ? 小鳥達(ボーイ)」

 八人の美少年を一瞥し彼女はカップを傾ける。すっかり冷めきった紅茶に「美味しくないわ」と零したレイニー様は、女神のような笑みを浮かべた。

「ほら、どうなさったの? 発言を許可してないのに囀ってらっしゃるからOKを出したのに。それとも私に対する侮辱だったのかしら?」

〝とんでもございません〟との声が飛び交い彼女の機嫌を損ねる。蒼白な顔はレイニー様の柳眉を顰めさせるには十分だった。
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