溶けろよ、心


『あ!そうだ、これ!晴斗に』

『ん?……キーホルダー?』

お土産屋さんで買った、超リアルな清水寺キーホルダー。
それを、晴斗に手渡した。

『うん!私も同じの買ったんだ』

同じキーホルダーを見せながら、私はピースサインをしてみせる。

『ありがと』

晴斗は、恥ずかしそうに微笑んだ。




次の日、私は鞄にそのキーホルダーをつけた。

その日の授業中、晴斗の筆箱に同じものがついているのが見えた。



周りで授業を受けている、誰も知らない私たちの秘密。

私たちは、繋がってるってこと。
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