溶けろよ、心


「そろそろ昼時だしさ、外に食べに行かない?」


もうそんな時間か。あっという間。

気づけば確かにお腹はペコペコだった。



「そうだね」


休日だから、いつ校外に出たって怒られない。
そんな非日常を町田くんと過ごせていることが嬉しい。



「俺ラーメン食べたい」


「こんな暑いのに?」


町田くんは開けていた窓を閉めながらそう提案した。


「暑いからこそラーメンだろ〜違う?」


「あははっ、そうかもしれない」


町田くんが楽しそうに笑うから、私もつられる。


近頃の町田くんは、なんだか大人っぽくて寂しそうだと思っていた。


久しぶりに思い出した。

初めて話した日から、ううん、もっと前から、

笑顔が可愛い人だなあって思ってたことを。



自分で気づくずっとずっと前から、町田くんのこの笑顔に惹かれていたんだ。


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