溶けろよ、心
*
「な〜ほ〜!誕生日おめでとう!」
菜穂は、中学1年生の私の妹。今日は、愛しい愛しい菜穂ちゃんの誕生日。
「お姉ちゃん痛いって!もう!……ありがと」
勢いよく抱きついてプレゼントを渡すと、また怒らせてしまった。
「真由は本当に菜穂が好きねえ」
お母さんとお父さんが呆れたように笑い合う。
えへへ、と私が照れ笑いする。これが、橘家の日常。
晴斗にはよく、俺と菜穂との接し方に差がありすぎだって怒られたっけ。もう懐かしく感じる。
最近の私は、日々勉強に勤しむ毎日だった。
本屋にも行かず、テレビも見ず。
つまり、晴斗を目にしなくなった。
「わ!これかわいい!筆箱欲しかったんだ〜。これ本当にお姉ちゃんが選んだの?」
「あ、当たり前でしょ〜」
本当は少しだけ、町田くんにアドバイスを貰ったんだけどね……。
町田くんに誘われて買い物に出かけたのは、つい3日前のことだ。
「な〜ほ〜!誕生日おめでとう!」
菜穂は、中学1年生の私の妹。今日は、愛しい愛しい菜穂ちゃんの誕生日。
「お姉ちゃん痛いって!もう!……ありがと」
勢いよく抱きついてプレゼントを渡すと、また怒らせてしまった。
「真由は本当に菜穂が好きねえ」
お母さんとお父さんが呆れたように笑い合う。
えへへ、と私が照れ笑いする。これが、橘家の日常。
晴斗にはよく、俺と菜穂との接し方に差がありすぎだって怒られたっけ。もう懐かしく感じる。
最近の私は、日々勉強に勤しむ毎日だった。
本屋にも行かず、テレビも見ず。
つまり、晴斗を目にしなくなった。
「わ!これかわいい!筆箱欲しかったんだ〜。これ本当にお姉ちゃんが選んだの?」
「あ、当たり前でしょ〜」
本当は少しだけ、町田くんにアドバイスを貰ったんだけどね……。
町田くんに誘われて買い物に出かけたのは、つい3日前のことだ。