不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
まゆこは踵を返した。邪魔をしてはならない――その通りだ。
早足で歩いてゆく。エルマは定位置でついてくる。部屋へ戻れば声の遮断魔法が敷いてあるから、そこでの会話は漏れない。けれどそこまで待てなかった。
丘状になった庭の端から小道に入るところで止まり、エルマへと顔を向ける。
早い口調で訊いた。
「ジリアンは大丈夫よね? 闘技では命まで奪うのは禁止だって聞いたわ。怪我はするかもしれないけど、無事に終わるわよね」
エルマは素早く周囲を見て、誰もいないのを確かめてからまゆこに答える。
「それは、負けを認めた場合です。勝敗が決すれば、そこで手打ちとなり、攻撃は終了します」
「負けを認める……? そんなこと。ジリアンが負けを? あり得ない……」
呟くように言った。出逢ったのは二週間余り前で、たったそれだけしか彼を知らない。あり得ないなどと、どうして断言できるのか。
自問自答するも、出てくる答えは変わらなかった。
エルマも反論しない。静かに頷くだけだ。
早足で歩いてゆく。エルマは定位置でついてくる。部屋へ戻れば声の遮断魔法が敷いてあるから、そこでの会話は漏れない。けれどそこまで待てなかった。
丘状になった庭の端から小道に入るところで止まり、エルマへと顔を向ける。
早い口調で訊いた。
「ジリアンは大丈夫よね? 闘技では命まで奪うのは禁止だって聞いたわ。怪我はするかもしれないけど、無事に終わるわよね」
エルマは素早く周囲を見て、誰もいないのを確かめてからまゆこに答える。
「それは、負けを認めた場合です。勝敗が決すれば、そこで手打ちとなり、攻撃は終了します」
「負けを認める……? そんなこと。ジリアンが負けを? あり得ない……」
呟くように言った。出逢ったのは二週間余り前で、たったそれだけしか彼を知らない。あり得ないなどと、どうして断言できるのか。
自問自答するも、出てくる答えは変わらなかった。
エルマも反論しない。静かに頷くだけだ。