不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
 馬車が下りると、近くで待機していた王城側の侍従たちが駆け寄ってくる。

 ジリアンが先に下りて、乗るときと同じようにまゆこに手を貸してくれた。

 多少寒くても馬車の中でコートを脱いだ。

 それは、バーンベルグ公爵が来たという知らせを受けてやってきた貴族たちに、まゆこのドレス姿を見せる必要があるからだという。

 ――だから、金箔が織り込まれているのね……。

 重いドレスだと思っていたが、寒さ対策ではなかった。

 次々にお辞儀をする者たちを両側にして、まゆこはジリアンと腕を組んで歩いた。ルースは二人の後ろをついてくる。

 人の列が途切れない。どれほどの者たちが集まってきているのだろう。改めて、国王候補であるジリアンの権威を感じた。
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