不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
ジリアンの髪が下から吹き上がる空気の流れで揺れる。
彼は顔を上げてまゆこを見た。いまにも泣きそうな顔に見える。泣いてくれるなと心で訴える。最後に見る姿になるかもしれないのだからと。
伝えたくても伝えない言葉がある。
彼女の重荷になってしまうのが嫌だ。それ以上に、口にしたとたん、放せなくなるから言えない。
「あまり乗り出すな。落ちるぞ」
小さな呟きのあとで、限りなく短くした言語を唱える。
「《サーリエ》」
光の柱が立ち上り、下から次第に消えてゆく。光が消えたあとにはなにもない。魔法陣も消えた。
彼は顔を上げてまゆこを見た。いまにも泣きそうな顔に見える。泣いてくれるなと心で訴える。最後に見る姿になるかもしれないのだからと。
伝えたくても伝えない言葉がある。
彼女の重荷になってしまうのが嫌だ。それ以上に、口にしたとたん、放せなくなるから言えない。
「あまり乗り出すな。落ちるぞ」
小さな呟きのあとで、限りなく短くした言語を唱える。
「《サーリエ》」
光の柱が立ち上り、下から次第に消えてゆく。光が消えたあとにはなにもない。魔法陣も消えた。