不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
 返事だけは威勢が良いなとぶつぶつ言ったゲオルグは詠唱を始める。

 魔法陣を描く魔法、三人を飛ばすための魔法、そして実行の魔法。かなりの力を必要としていたが、ゲオルグは最後に一声上げて完了させる。

「《遥かなる希望の地へ。跳ばせよ。サーリエカファーザ》!」

 魔法陣が光る。まゆこたちを光が包んだ。一瞬大きく膨らんだようになった魔法陣は、三人を空間跳躍させる。

 雪が降り注ぐ中、眩しいほどの光が四方八方へ散った。

 光が収まったあと、魔法陣は消え、その中心に立っていた三人も消えている。

 全てが収まると、ゲオルグはがくりと膝を突いた。

「ジリアン……。王になったら、俺を第一位の大臣にしろよ」

 これは貸しだと、心の中で大声を上げる。

 ゲオルグは、カーライルたちを他の場所へ移動させたときに、この辺りの結界を引き継いで張っていた。

 結界は、空間跳躍魔法を発動させた時点で粉々になった。そのせいで向こうの方から数多の連中が駆けてくる。

 何と言って説明しようかと、ゲオルグは頭を抱えた。
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