不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
 門との契約更新ができたから、すでにジリアンはゲルツ王となっている。『だから迎えに来た』とゲオルグは笑っていた。

 彼はジリアンのもとで宰相、または重臣になるつもりだ。

 ――案外似合うかも。……ヘンタイだけど。

 他の者たちもそれは了承済みのようだ。ゲオルグの他者に対する命令口調は前とさほど変わらなくても、付き従う者たちの遜りはかなり大きくなっている。

 周囲のジリアンへの対応は、それ以上だった。

 自らの力で王位を勝ち取った者への畏怖と敬愛は、まゆこが想像していたよりも、はるかに大きい。

 かろうじて王城へ戻ったあとは、まゆこもジリアンもベッドへ一直線だった。

 食事を取ったかどうかもあやふやな状態で、ひたすら眠った。
< 340 / 360 >

この作品をシェア

pagetop