不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
「ジリアン。眼を覚ましたら、あなたはわたしになにを言ってくれるのかしら」

 呟いた。小さな声。

 その声に反応したかのように、ジリアンの瞼がピクリと動く。

 じっと見つめていたまゆこには、そのわずかな動きがすぐに分かった。椅子から腰を浮かせて、仰臥しているジリアンの顔の方へ上体を傾ける。

「ジリアン? ジリアン、わたしよ。分かる?」

 驚かせないようにと考えて、小声で呼ぶ。

 すると、瞼が持ち上げられてゆく。

 細い隙間に濃い紺碧の瞳が覗く。夜になっているので寝室の中は薄暗くしてあった。それが残念になるほど、珍しいジリアンの様子に胸がときめく。

 開いてくる眼がまゆこを映した。
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