誰からも愛されない

✛✛結婚式、出席


翌日は、紫月さんに会い
紫月さんも忍さんも固い挨拶をして
彩心に笑われていた。

紫月にとって、忍はAkiymaの社長である
だが、彩心をとても愛してくれていて
大切に大事に溺愛しているのが
わかり、本当に嬉しかった。

楽しい時間は過ぎて
父親との面会になると
彩心は、言葉少なになる。

忍は、そんな彩心を抱きしめて
「ご挨拶するだけ。
僕が側にいるから心配ないよ。」
と、言うと
コクンと頷いた。

二人は涼の事務所に向かう
涼は、待っていて
「初めまして、才賀です。」
「初めまして、秋山 忍です。
本日は、お時間を頂き
ありがとうございます。」
「いえ。私も秋山さんに
お会いしたいと思っていましたので。」
「さっそくですが。
彩心さんとの結婚が決まりましたので
ご報告に伺いました。
昨日、如月さんへご報告を終え
才賀さんにもご報告をしたいと思い
本日お伺い致しました。」
「ありがとうございます。
彩心の事を宜しくお願い致します。」
と、涼は頭を下げた。

そんな涼を彩心はびっくりしてみていた。

すると、いきなり涼が
「彩心。
親らしい事を
何にもしてやらなかった俺に
結婚の報告してくれてありがとう。

秋山さんと幸せになりなさい。
ずっと辛い思いをさせてきた
俺に言われても困るだろうが。
こんな生き方しか出来なかった
父を許してくれ。」
と、頭を下げるから
「…………おとう……さんも
身体に気をつけて‥‥幸せになって。」
と、彩心が言うと
忍は、愛しそうに彩心の頭を撫でていた。

忍は、
「来月と行っても直ぐですが、
婚約発表をして入籍します。
五月に挙式を行う予定です。
五月は、出席お願いできませんか?」
と、言うと
涼も彩心もびっくりしていたが
涼は、
「ありがとう。
是非、出席させて下さい。」
と、言った。

彩心は、忍を見上げると
「良かったね、彩心。
   出席してくれるって。」
と、言うから
「はい!!」
と、言った。

涼に見送られて涼の事務所をでた。
来て良かったと、改めて思う彩心。

「忍さん、ありがとうございました。」
「ん?何を?彩心が来て欲しいと
思っているみたいだったから。」
「えっ、どうしてわかったの?」
「そりゃ、大好きだからかな」
と、言われて
「‥‥‥もぅ‥‥‥」
二人は、札幌に戻って行った。
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