誰からも愛されない

✛✛第一子


結婚式も終わり
彩心は、銀行も退職して
忍に献身的に尽くしていた。

忍は、彩心がいるだけで
仕事もがむしゃらに頑張れた。

式から三ヶ月過ぎた時・・

忍が帰宅すると
彩心から
「忍さん、あのご報告があります。」
「なんだい?どうしたの?」
「あのね、お腹に赤ちゃんが・・」
「ええっ、本当に?うそ?」
「本当。いま、二ヶ月だって。」
「ほんとに・・ここ・・にっ・・」
忍は、彩心のお腹をそっと触りながら
嬉しそうにしていた。

「喜んでくれる?」
「当たり前じゃない。
  ありがとう。
   体を大事にして。」
と、喜んでくれた。

それからが大変
忍さんのあれはしないで。
これはしないで。
が、日に日に煩くなり
ほとほと彩心は参っていた。
それを助けてくれたのは、
お義母様だった。

お陰さまで彩心は、
快適な妊娠生活を送り
無事に男の子を出産した。
名前は 尊(たける)と名付けられた。

尊は、みんなからも愛されて
スクスクと育ってくれた。



愛を知らなかった私に
沢山の愛を教えてくれて
大事に大切にしてくれる・・忍さん。


お母さん、私、とっても幸せだよ。
    ·····見守っていてね······


忍さん·····と、いつまでも·····

    いついつまでも······

      ········星になるまで········


               完
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