誰からも愛されない

✛✛好きになって


料理が運ばれてきて
食べましょうとなり
食事を堪能するが
すごーく美味しくて
食べる事に専念していると
忍さんから
「喜んでもらえて良かった。」
と、言われて
あっ、忍さんと来ていた事を
思い出した。
「やはり、僕の存在を忘れてましたか?」
「・・・あっ、いえ、あの・・」
「くすっ、大丈夫ですよ。
そりゃ、まったく、気にしていないとは
いいませんが
彩心ちゃんの表情が変わりましたから
食事に誘って良かったと。」
「すみません。本当にすみません。
だけど、凄く美味しいです。」
「気に入って頂けたら良いのです。」
いつも私を気にかけてくれる
忍さんって・・・
と、訝しげに見ていると
「あははっ、本当に彩心ちゃんって
表情が変わって面白い。」
「えっ、私がですか?」
「うん、彩心ちゃんが。」
そんなこと初めて言われた
と、思っていると
「本当はね、Akiyamaを継ぐのは、
一番上の兄だったのだけど
兄が留学中に留学先の女性を
愛し結婚したんだ。

その奥さんのお父さんも起業していたので
兄は、そちらの会社に入る事になり
凪は、弁護士の資格をとるのに
必死に勉強していた時期で
白羽の矢が僕にきたんだ。
仕事は好きだけど
沢山の社員とその家族を
路頭に迷わすことのないように
やっているけど不安やプレッシャーで
倒れそうになる時もあるんだ。
それに、僕の肩書きに寄ってくる
人も多くてね
縁談の話もその延長のようなもの。
断っても、断っても次から次へと。
だけど、僕は、僕だけをみてくれて
僕を理解してくれて
僕がこの人と共にいたいと思えて
心から愛して互いが思いやれる人を
将来の伴侶にしたいと
思っているんだ。」
と、言うと
改めて私の目を真っ直ぐにみて
「まだ、数回しか会ってないけど
僕は、彩心ちゃんに惹かれています。

君を知りたいし、
君ともっと一緒に
いたいと思っています。

彩心ちゃんに僕の隣で笑っていて欲しいと
心から思っています。
ですから、僕を好きになって頂けませんか?」
と、真っ直ぐに気持ちを伝えてくれる
忍さん。

私は・・・・
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