誰からも愛されない

✛✛きれいな庭園


「いらっしゃいませ、秋山様」
「突然すみません。大丈夫ですか?」
「はい、直ぐにご用意いたします。」
「お願いします。」
と、言うと
お店の方についていく
もちろん手は繋がれたままで
私が手を離そうとすると
忍さんは、ん?
と、私をみてから
手を握り直して進んで行く
まったく、忍さんは・・・
手を繋ぐのが癖なのかしら
と思いながら彩心は進んだ。

案内された所は
掘りごたつ式のテーブル
窓が大きく開放的で
外は綺麗な庭園があり
灯籠に明かりが灯され
落ち着いた空間となっていた。

入り口で外に見とれて立ちどまると
忍さんは、そっと手を離して
腰かけた。
そして中居さんに
料理を注文していた。

立ち去り際に中居さんが
「お気に召して頂けましたか?」
と、声をかけてきたので
「はい、とても綺麗ですね。」
と、言うと
「秋山会長もとても気に行って頂き
一人でお寄りくださいます。」
と、言うから
「そうなのですね。」
と、話していると
「父は、お忍びでね。
どうぞ、お座り下さい。」
と忍さん。
「はい。」
と、言って忍さんの前に座った。
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