誰からも愛されない

✛✛やはり、来なければ


秋山家のクリスマスパーティーは
身内と近親者のみで行うらしい。

そんな場所に出席しても
    良いのだろうか······

パーティー当日
彩心は早目に美容室へと入った。

秋山さんの選んでくれたドレスは
オフショルダーの丈の長い
瑠璃色のドレスだった。

シンプルだけど瑠璃色にスパンコールが
はえて、凄く綺麗。

ドレスに会わせてのヒールと
ネックレス、イヤリングが用意されていた。

バックとコートを持ち
タクシーに乗り込む。

会場に着くと
凪さんが出迎えてくれた。
「ほぉっ、孫にも衣装だな。」
「今晩、凪さん。」
会場の中に入り
秋山さんとお母様にご挨拶をして
気持ちだけのクリスマスプレゼントを
お渡しした。

二人共、何でもお持ちになっていると
思ったので
秋山さんに、マフラーと手袋
お母様に、ストールと手袋
二人とも同じ色合いのペアにした。

秋山さんとお母様は
照れながら凄く喜んでくれた。

凪さんに
「俺には?」
と、言われたが
首を降りながら笑ってごまかした。

もちろん忍さんにも用意している。

忍さんも何でも持っているはずだけど
ネクタイとネクタイピン
マフラーと手袋にした。

私の好きなブランドの物に勝手にした。
気にいってくれるかな・・・

パーティーは、
色んな催しがあり、
華やかで楽しいものだった。

ゆかりさんのご家族も見えていた。

親戚の方々には、好奇な目で
見られたが秋山さんがひと睨みすると
おさまった。

私が一人になると
  何かが·····おこる······

« ガチャ »

  ·····やはり·····

「本当に図々しい女ね、あなたって。
秋山家のクリスマスパーティにまで
でしゃばってきて。
知っていると思うけど、
忍おじさまには
沢山の花嫁候補がいるのよ。
あなたなんか、
その人達の足元にも及ばないのよ。
わかってる!!
わかったなら、忍おじさまが
帰国する前に札幌から出ていって。」
と、言われた。

化粧室の壁によりかかり
······考える·······。

化粧室から外に出ると
清香さんと楓さんがいて

「なによ!
楓兄さんに言いつけたの?
どれだけの人なの?
あなたって!!」
と、いきなり清香さんに言われて
びっくりしていると
「何をしてる?
兄妹喧嘩か?
で、何で彩心ちゃんが?!・・・」
と、凪さんがやってきた。

「凪おじさま!!
楓兄さんがこの人と結託して
私に詰め寄るのよ。」
と、清香さん。
「えっ、それはどう言うこと?
楓?彩心ちゃん?」
と、凪さん。

「忍おじさまがいたら、悲しむわね
あっ、あなたの正体がわかって
良いのかも。」
と、清香さん。

そんな風に言われて
私は何も言わずに下を向く
楓は、清香を睨んだまま。
「楓と彩心ちゃんが、
兄貴を騙してるって事?!」
と、凪さん。

回りにいた親戚の方々が
何て事なの?
会長は、知っているのか?
と、騒ぎ始めていた。

やはり······来なければ良かった。

身内だけで行うパーティーに
図々しく来たばかりに
こんな事になってしまって

秋山さんやお母様に
本当に申し訳ない気持ちになる

もう·····帰ろう·······。。
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