秘書課恋愛白書

「んー…前と比べるとけっこう集中モードに突入してるといいますか」


そうなんだ、と室長は書類に目を通しながら頷く。

そして何か思い出したように私の方を見る。


「そういえば来週の金曜日、友人の会社の創立記念パーティーがあって多分社長も行くんだけど、中原さんも来る?」

「え、私ですか?社長から一言もそんな話は聞いてないです」

「あれ?……なんか、あった?」


なんか、ありましたけど。とは言えず。

ぎくり、と体が硬直したが苦笑いを浮かべて何にもないですと返事をした。


「変だな…ついこないだまでは中原さんも連れて行くだの言ってたのに」

「お誘いいただいても行かないですよ?」


そんな身内のパーティーにただの秘書がお邪魔するのは見当違いだと思った。

まぁ今のところ大した予定もないんだけど…


「まぁ確かに中原さんもプラベートな時間まで社長に拘束されるのは嫌だよねー」

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