きみの笑顔や頑張りが、
私の存在理由になる。
つらいことや悲しいことを抱えたままでも
ゆっくりと進んでゆけばいい。
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手芸が得意な平凡少女、麻文。
彼女が憧れるバスケ少年、和泉。
多感な16歳の、よろこび、ときめき、
かなしみ、さみしさ、が、大切にこめられたお話。
まるで、サイダーのなかのビー玉のような。
あるいは、大切にしまわれたドロップ缶の中の飴のような。
瑞々しい、繊細で透き通った感情たちが
作者様の素敵な言葉たちによって伝わってきます。
震災、という重いテーマも、自然に、しかしくっきりと埋めこんで、その点でも心に残る物語となりました。まだ、終わっていない。たしかに跡があって、それを抱えてたくさんの人が生きているんだな、と。
本当に素敵な物語でした。温かかった。
16歳の彼らの未来にありったけの希望を。