僕のホシ


お店に着いた頃には既に9時を過ぎていた。


朝から収録が積み重なり忙しかった。


いつもの行きつけの飲食店。


声をかけられることが多い普段の店とは違い、行き慣れていてなかなか声をかけられることの無い店。


俺たちは常連になっていた。


他に客も何人かいたけれど、俺達の変装はバッチリ。


むしろ一般人にしか見えないほどだ。


「いや!まじ暑ぃ今年!」


無駄に声のでかい界は帽子を脱いだ。


バレないのかって?


これが何故かバレないんだな。


周りにはほぼ おじさんかおじいちゃんしかいないからって言うのもあるしね。


ちゃんと使い分けてはいるんだ。


「界くんがうるさいから暑いんだよ。」


界くんを弄るのが大好きな颯。


可愛いながらに言うことは毒。


「そうだ少し黙っとけ〜(笑)」


界くんの言葉に大笑いをする勇気。


「何頼む?界くんの奢りらしいよ?」


それにのっかるかのように言葉を発する力。


「だから奢りじゃねーよ!!」


界くんの言葉に皆が大笑い。


これがいつものfine seaの流れのようなものだった。



< 6 / 27 >

この作品をシェア

pagetop