僕のホシ
お店に着いた頃には既に9時を過ぎていた。
朝から収録が積み重なり忙しかった。
いつもの行きつけの飲食店。
声をかけられることが多い普段の店とは違い、行き慣れていてなかなか声をかけられることの無い店。
俺たちは常連になっていた。
他に客も何人かいたけれど、俺達の変装はバッチリ。
むしろ一般人にしか見えないほどだ。
「いや!まじ暑ぃ今年!」
無駄に声のでかい界は帽子を脱いだ。
バレないのかって?
これが何故かバレないんだな。
周りにはほぼ おじさんかおじいちゃんしかいないからって言うのもあるしね。
ちゃんと使い分けてはいるんだ。
「界くんがうるさいから暑いんだよ。」
界くんを弄るのが大好きな颯。
可愛いながらに言うことは毒。
「そうだ少し黙っとけ〜(笑)」
界くんの言葉に大笑いをする勇気。
「何頼む?界くんの奢りらしいよ?」
それにのっかるかのように言葉を発する力。
「だから奢りじゃねーよ!!」
界くんの言葉に皆が大笑い。
これがいつものfine seaの流れのようなものだった。