僕のホシ


賑やかな場所が大好きな自分にとって、たまに静かな居場所が欲しくなることはよくあった。


そういう時は必ず夜の道を歩いていた。


今日もいつもと変わらない帰り道。


自分の好きな景色と匂いと道と。


いつも通りだった。


何もかもが。


君と出逢うまでは。


家に着くまであと残り10分くらいの場所だった。


「晴海!」


後から声がして振り返った。


そこに居たのは颯だ。


「どした追いかけてきて。颯の帰り道から大分遠いじゃん。」


「晴海の携帯俺のカバンに入っててさ!焦ったよ!だから晴海が帰りそうな道辿ったらいたから!よかったよ〜」


颯にはテレパシーが使えるのかと思うくらいだ。

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