一匹狼くん、拾いました。





何度だって死のうとした。




自分が生きている意味が、全くわからなかった。





いつもいつも苦しくて、




どうしようもなく辛かった。




大好きな楓が奪われて、




親友の岳斗が死んでから、



俺は半分死んだように生きてきた。





それでも、今は生きててよかったと、






心の底から思える。








ありがとう、仁。







あんたのおかげだ。







「……仁、お前に出会えてよかった」







俺は、泣きながらそう言った。




「あぁ。俺も、お前に出会えてよかったよ」




仁は、包帯が巻かれた俺の頭をそっと撫でた。







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