嘘つきピエロは息をしていない
「ははっ。そんなに警戒するな、色男」

 そう言うと、ギョッとするくらい陽気な笑顔を見せてくる。

 怪物かよ。

 一瞬で空気を変えてしまった。

 変装したわけでもないのに数秒前とはまるで別人のようだ。

「気になるんでしょ。吉川のこと」
「は?」
「吉川といる君はとても自然体だった」
「……言ってろ」
「素直に可愛いお姫様を助けてやりたいって言えばいいのに。交換条件なんて、とんだツンデレボーイだ」
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