キミだけが知らない想い
「俺も大好き。これからはちゃんと俺がそばにいますので、もっと俺に頼ってください」と弘夢は言う。

わたしは、頷いた。

「あのね…もう一個言わないといけないことがあるんだけど…実は私、あっくんのファンクラブ入ってる。優斗には話してたんだけど、こないだ本人にもバレちゃって…」と私が言うと、

「ん?もしかしてバレたのってあの日?兄貴が迎えに行った…」って普通の反応?

「そう!置いてかれたのに憎めなかった。カッコいくてね」と私が言うと、

「そっか…あの人誰にたいしてもそんなとこあるしね。俺もドキドキするときあるし、男にもファン多いから気持ちは分かる。実際俺もそうだしね」と弘夢は言った。

だからだったのね。たいがい、弘夢もあっくんひいきするなぁって思ってたけど。

「うん。ごめんね?多分これからもあっくんのことは大好きだと思うけど大目に見てね?」と私が言うと、

「まぁ、それは仕方ないですけど、俺の前であんまりいちゃつかないでくださいよ?かなり妬きます」と弘夢。

「気を付ける。けど、そんな独占欲丸出しなヒロも好きだから」と私が言うと、

弘夢は照れてうつむいた。

「そろそろ行こうか?」と手を差し出され、私は弘夢の手に自分の手を重ねた。そして顔を見合わせて笑い、歩き始めた。

「兄貴、どーしたかな?」と弘夢は言う。

「3人で遊んで帰るんじゃない?元々そういう話だったんだけど。あなたが私を連れ出してそのままデートって。ここまでは私たちが作ったプランそのままよ?だからここからがあなたの本領発揮するところよ?」と私は笑った。

「頑張ります!」と弘夢は笑った。

私たちはとりあえず、証拠写真を撮り、優斗とお母さん達に送った。

『良かったわね。おめでとう』と返ってくるお母さんにたいし、『くそったれ』と一言だった優斗。

私は笑うことしか出来ない。

私のスマホを覗きこんだ弘夢は「何これ?こんだけ?他には無いわけ?」と少しお怒り気味だ。

「良いのよ。優斗らしくて、優斗なりの祝福よ」と私が言うと、「はあ?どこが!!」と弘夢は言う。

< 18 / 26 >

この作品をシェア

pagetop