BLUE GIRL
楽しい時間には終わりがくる。
海が亡くなって知ったことだ。
高校生の私たちは終わりなんて考えたこともなかったし、現実味がなかった。
ユウとの期限付きの恋は、素敵だ。
彼の優しさにたくさん触れて、たくさん笑顔にしてもらったけれど。
終わりがくると最初から分かっている分、心構えができていた。
海の病室でリョウと2人きりのシーンが増え、スケジュールがぎっしりと詰まる。早朝から深夜まで撮影が行われた。
集中を途切れさせてしまってはとユウに話し掛けるタイミングすらなかった。
会話ができないことを寂しいと思う心が私にもあったんだ。
スタジオの片隅で眠気覚ましのコーヒーを飲みながら、出番を待つ。
理子は残りワンシーンのみの撮影だ。
2人が病室でキスするところを小さく開けたドアから見て、満面の笑みで立ち去るラストシーン。
あの日、本当に私は笑顔で2人の幸せを願った。
異性としてリョウのことは好きだったけれど、
それ以上に親友として海が大好きだったからーー大好きな人の幸せを優先したのだ。
懐かしい記憶が鮮明に思い浮かぶ。
薬品の匂いと海のために用意した花束の香りまで蘇ってきた。