BLUE GIRL
次の現場に向かうというユウの嘘は疑われず、誰よりも早く現場を出て行った。
通りすがりに目で合図され、私もその後に続く。
元々出番はなく撮影の見学をしていただけで、私に気に留める者はいなかった。
「ユウさん、昨日は風邪引きませんでしたか?」
野球帽と眼鏡、マスクをしたユウは当然のようにバスに乗り込んだ。
送迎の車があるにも関わらず、物好きだ。
「ああ」
「ケーキ全部食べて、お腹を壊さなかったですか?」
「当分、甘いもんは遠慮しとく」
「減量されてたんですよね」
「リョウって細身のくせに筋肉質なんだろ。恵まれた体型で羨ましいな」
「ユウさんがそれを言います?みんなユウさんのこと見て同じこと思ってますよ」
ユウは私の肩に頭をのせてきた。
ほとんど人が乗っていないバスの後部座席に2人で座っている。
「ユウさん…」
「俺が、演技してることで、救われてる奴っているのかな」
突然の投げかけに、すぐに反応できなかった。