**零れる涙**

疑問………

私は、自分の父親がどんな人か、なんで死んだのかも分からない。

本当に父親は、死んでいる?

それが分かるのは、きっとおばあちゃん家に行けば分かるんだ。

私は、スマホを耳に当てた。

「"おばあちゃん、カンナだよ。
明日、遊びに行っていい?"」


私に迷いなんかない。
私は、おばあちゃんに会いに行く。

田舎に住むおばあちゃん。

おじいちゃんが亡くなり、おばあちゃん一人で住んでる田舎。 

おばあちゃんは、お母さんのお母さんだ。

シワシワの顔で、とても小さなおばあちゃんは、可愛い。
私の理想の可愛いおばあちゃん。

私は、お年寄りが大好きだった。

私が遊びに行きたい、と言えば喜ぶ声も聞こえた。


「"彼氏と、二人で行くから"」


「"あら、それは嬉しいね、楽しみにしているよ"」


心から楽しみにしているよ、と笑うおばあちゃん。

私もうれしくなり、電話腰に微笑んだ。


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