**零れる涙**
少女が、こちらを向いた。


俺を見てるーーー。

少女は、母親から離れ俺のとこに来た。



「お兄ちゃん、死んでるの?」



こんな小さな子から、そんな言葉が出たことに面食らう。


「いや、まだ生きてる。

ずっと眠ったままなんだ。君はーー?」



「あかり。

五歳だよ。お兄ちゃん、生きてるのいいな」


そう言いあかりちゃんは、俯いた。


酷だろうか、こんなことを聞いたらーーー



"君はどうして、死んだか"ーーー。

聞くのに、躊躇う。


「あかりはね、ずっと入院してたよ。

喘息でね。咳コンコン苦しいんだよ。

だからね、、あの夜も苦しかった」



あの夜ーーー。



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